行事紹介
小雨の中行われた天皇誕生日一般参賀から一夜明けた2月24日、前日までの悪天候がまるで嘘だったかのような快晴の下、9人の育英生ランナーが皇居桜田門に集結した。来る東京マラソンの練習のためだろうか、多くのランナーで賑わっていた。10時に桜田門時計台を一斉スタート。東京タワーや東京駅も見えるフラットなコースをぐんぐん進む。約2キロ地点の竹橋駅からは上り坂。歩道の細い代官町通りを過ぎると、右手には大きなイギリス大使館が姿を現す。半蔵門から坂を下り、ゴールまでラストスパートだ。1周約5キロのコースを走り抜け、まず初めにゴールテープを切ったのは、66期生のM君。記録は18分40秒という凄まじい好成績。次にやってきたのは、67期生のT君。こちらも20分42秒という好タイムだ。3位には、67期生のS君。21分42秒。手を挙げて笑顔で走り切った。残り6名の選手も、無事に完走することができた。
最後に、二重橋をバックに記念撮影。喧しい議論が連日繰り広げられる国会議事堂・霞が関の官公庁・大企業の本社ビルが軒を連ねるその景観を目前にして、将来のキャリア像を思い描いた寮生もいたことだろう。「観光気分を味わいながら走る」という一石二鳥なマラソン大会を実現するために、前年度までの殺風景な赤羽公園のランニングコースを、本年度は「皇居ラン」コースに変更した。しかし実際には、悠長に景色を見ている暇などあまり無かったようだ。勝負事には一切の隙を見せずに全力で挑む松尾育英生としての矜持を、彼らの繰り広げる熾烈な争いから見て取れた。
本番までの間、寮の周りを走る寮生の姿を何度も見た。雨に打たれながらも自主練習するその姿を見ていたからこそ、本番でのすばらしいパフォーマンスがただの偶然でないことは明白に分かった。マラソン大会は、本番までの練習の積み重ねが肝心だ。毎日、昨日の自分と格闘する。努力がこんなにも如実に表れてくれるスポーツはない。次年度以降も、ぜひ積極的にチャレンジしてほしい。昨年の自分を超えられるように。