行事紹介

令和5年度 成人式

新年を迎え、まだ寒さの厳しい中、2024年1月20日5名の寮生の20歳の節目を祝して「松尾育英会成人式」を執り行いました。式典には理事長先生、寮長先生、同窓会会長、同窓会事務局長をお迎えして彼らの門出を祝いました。

式典の中で第66期生のO君が代表の誓いの言葉として、「20歳を迎えることは人としての生き方を意図的に変化させる転換期の到来を示唆していると考えています。目指すべきは自身の幸福の追求のみに留まることなく、社会全体や所属する集団の発展への責任を深く背負い、地道に責務を果たしていく生き方です。以前まで青少年は親や制約規律の権能としての存在による庇護を受けていました。それらは半ば先天的な内生要素として自然に我々の生活に根差しており、それゆえにその機能を殊更に意識せずとも一定の安全圏にてまさに子供としてあることが可能でした。しかし、薄れゆく庇護から完全に脱却し、上の世代が担っていた役割を自らに引き受け、下の世代へ責務を果たそうとする強い意志が我々成人には必要だと感じます。さらに、未来は不確実性に包まれた不可知です。自身の置かれる状況は常に不安定に揺らぎ、それゆえに悲惨への不安や恐怖は尽きることなく付きまとうことでしょう。ですがそれを受け入れ、より良い未来の実現を信じて可能性に身を投企することが求められます。不安を呼び水に利己性やニヒリズムの陥穽に陥ることなく、利他性と善性を強固に保ちながら常に最善を追い求める強靭さを持たなければなりません。自らの選択した行動のみがこの人間性を我々が獲得できるかを保証します。なすべきことをなし続け、あるべき姿への歩みを怠ることなく邁進していく所存です」と力強く述べました。若いエネルギーと新鮮な感性を併せ持ち、成人としての自覚と責任ある行動をする松尾育英会学生寮生になると確信した成人式となりました。